ルール

簡単解説


ルールを知って100倍楽しもう!



パラ・パワーリフティングとはどんな競技?

台に寝転がり、重りのついたバーベルを両手で握り、胸までおろして、挙げる。

バーベルを持ち上げるのはわずか「3秒」程度、一瞬にかける選手たちの集中力、精神力も見ごたえたっぷり。

そんなドラマを繰り広げるのは、下肢障がい、または小人症(男子145cm以下・女子140cm以下)の選手たち。

上半身の力比べで、力持ちNo.1を競うベンチプレス勝負。それがパラ・パワーリフティング。


※この動画は日本財団パラスポーツサポートセンターの助成を受けて作成しました










パラ・パワーリフティングの特徴


■その1

全身が乗るように作られたパラ専用の「ベンチプレス台」


長 さ:2.1m

最大幅:61cm/上半身部分の幅30cm

高 さ:床から48㎝~50㎝。



■その2

障害の程度によるクラス分けがない。

体重別にクラスが分かれているだけ、障害の程度は関係なく順位を競う。(男女ともに10階級ずつ)


男子

一番軽い階級 49Kg級  :下限ナシ~49.0Kgまでの選手がこのクラスに参加。

一番重い階級 107Kg超級 :107.1Kg以上で上限ナシの体重の選手がこのクラスに参加。


女子

一番軽い階級 41Kg級  :下限ナシ~41.0Kgまでの体重の選手が参加

一番重い階級 86Kg超級 :86.1Kg以上で上限ナシの体重の選手が参加


男女全10階級はこんな風に分かれています




試合が始まるまで


①検量

体重別で競うので「検量」があります。

検量では体重を量ることと、「スタート重量」と「ラック高」の申請をします。

※出場予定クラスの体重に収まらなかった場合:試合には出られません(失格)

 時間内であれば再検量は何度でも可能です。

※日本の国内大会ではクラス変更して出場してよい、としている大会もあります。



②コスチューム

Tシャツ、つりパン、靴の着用をする。(靴下は、ドクターが認めた場合は履かなくてもよい)

安全のため装飾品等は着用できない(イヤリング、帽子、腕時計、指輪など)

ベルト、リストラップは任意。

 

※つりパンとは:

 ・ワンピース(オールインワン型)

 ・選手の体に密着していること。


③キットチェック

試合当日、ウォームアップ場に入る前か、ウォームアップ中のベンチ台にて、試合で身に着けるもの、使用するもののチェックが行われる。



④ウォームアップ

ウォームアップは40分間。試合開始前の指定された時間にウォームアップを行う。



⑤選手紹介

試合開始10分前に選手紹介が行われる。




いよいよ試合のスタート

試技は1人1回ずつ順番に行い、3回の試技で最も重いバーベルを挙上した選手が勝者。

基本的には回数を追うごとに重い重量の記録に挑戦をしていきます。

・失敗した場合は次の試技も同じ重量に挑戦できる。

・成功した場合は、1Kg以上の重量を申告できる。(1Kg単位で試技を申告することができる)


東京2020パラリンピック後のルール改正で・・・

※新記録を狙う目的で、特別試技として4回目に挑むことができ、4回目の挑戦も記録として残り、順位に反映されることになりました。



試合の進み方

選手名がコールされてから2分以内に試技を行う。(舞台上のタイマーで2分がカウントダウンされるのでそちらもご注目)


2分間の間にやること。

舞台上に登場。ベンチ台の横へ移動し、ベンチ台にあおむけに横たわる。ストラップをまく選手はストラップをまき、心身ともに準備ができたらラックからバーベルを外して静止。

名前がコールされ、舞台上に登場


ベンチ台に移動しあおむけに横たわり、心身ともに準備ができたら・・・

「ラックからバーベルを外して静止」した状態で、主審から「スタート」の合図をもらうまでが2分以内であること、これがルール。


スタートの合図を聞いたら、バーベルを胸の位置までおろし、ピタッと胸の上で止めて、一気に押し上げる。

左右どちらかに傾いたりせず、正しい姿勢でバーベルを上げたら再び静止し、主審が「ラック」と合図したらバーベルをもとに戻す。


判定が出てから1分以内に、次に挑戦する重量を申請する。

申請がなかった(間に合わなかった)場合は1Kg増加の重量が次の挑戦重量となる。

失敗した場合、申請がなかったら失敗したのと同重量が次の挑戦重量となる。

 




試合の判定


3人の審判によって判定されます。

「白」は「成功」の意。「赤」は「失敗」の意。

白が2個以上で成功試技に、逆に、赤が2個以上だと、不成功を意味します。



審判の「判定」代表的なチェックポイント


■胸でピタリと止める

バーを胸まで下げてから挙上しますが、その際、目視で確認できるよう胸で「止め」なければいけません。

またバーを胸でバウンドさせて挙上を有利にしてもいけません。


■左右同時にまっすぐ挙上する

バーを挙げる際、どちらか片方に傾いたり、激しく揺れたりしてはいけません。

ただし、選手の障がいによっては肘が伸びないケースもあります。

その選手は事前にドクターから診察を受けて承認される必要があります。

 



「失敗」の理由は4つの観点でチェック


審判が「失敗」と判断したら、「赤」を示しますが、失敗と判断した理由にも色がついています。


代表的な理由を挙げてみます。


赤●緑●ボディー・シークエンスで失敗!

 ・主審がスタート、という前に試技を始めてしまった。

 ・ドクターの診断がないのに肘が曲がったまま。

 ・頭やお尻などがベンチ台から浮いた。 等


赤●+青●ダウン・シークエンスで失敗!

 ・重さに負けたように見えるおろし方はNG(胸に向かってドカン、と落とすようなバーの下げ方)等


赤●+オレンジ●ストップ・シークエンスで失敗!

 ・バーベルが胸についていない。

 ・バーベルが胸で静止していない 等


赤●+紫●プレス・シークエンスで失敗!

 ・バーが左右同時に上がっていない。(傾いてあげた)

 ・最後のフィニッシュ(ロックアウト)が左右同時でない

 ・審判の合図(「ラック」)の前に戻してしまった。

 ・挙上時にバーベルがラックに当たってしまった。

 ・バーベルを上げることができなかった。 等


 




パワリフうんちく


その1

世界最高記録は健常者の世界記録を上回っている

2016年リオパラリンピックにて107Kg超級のシアマンド・ラーマン選手(イラン)が「310Kg」を樹立。

同等のルールで行う健常者世界記録を上回る世界最高記録。

2019年世界選手権(撮影:西岡浩記)


●世界新記録を確認する→こちら

●2016年リオパラリンピック、ラーマン選手の第3試技(305Kg)動画 →こちら

 ※この当時は、新記録に挑戦するときのみ許可される第4試技(特別試技)は、新記録には認定されても大会結果には反映されなかったため、ラーマン選手のリオパラリンピックの結果は305Kgで優勝(107Kg超級)でした。



その2

体重別のほかに、年齢別カテゴリーもある。年齢別カテゴリーごとの新記録も認定されている。

日本記録のページ)(世界記録のページ

パラ・パワーリフティングの大会に出場できるのは15歳以上の選手。(上限はなし)

年齢によるカテゴリーわけがない場合、「一般の部」=「エリート」に出場することになる。

年齢の数え方は「カレンダーイヤー」。大会開催年の12/31時点で何歳か、で考える。



その3

相手よりも1Kgでも重いものを持ち上げて勝ちたい!

緊迫した駆け引きの中、相手の挙げる重量を見て、次に自分が挑戦する重量を変更できるのか



その4

1セッションに11人以上の選手が出場する場合、2グループ(以上)に分け、1グループあたり最低5人以上で競技を行う。

グループは検量時に申請した第1試技重量の軽い人から順に作る。そのため、2グループ以上あるセッションの場合は後半のグループに出場する選手たちのほうがスタート重要が重い(メダル争いの可能性が高い)。グループわけが必要な場合は、検量終了後に行われる。



その5

ストラップは1本または2本巻いてよい。一色でないといけない、というルールがある。長さは160㎝以上220㎝以下。幅は7.5㎝~10㎝。

足首から股関節まで、どこに巻いてもよい。2本使う場合は重ならないこと。選手が自分でまいてもコーチに巻いてもらっても補助員が巻いてもよい。

 


その6

1964年東京大会からパラリンピックで行われている。

当初のパラ・パワーリフティング競技名は「ウェイトリフティング」だった。1992年ソウルパラリンピックから現在の競技名に。

今「ウェイトリフティング」といえばオリンピック種目。床に置いたバーベルを頭上まで持ち上げる競技のこと。



その7

下肢障がい(パラ・パワーリフティング)以外のパワーリフティング

健常者の競技に「パワーリフティング」があります。

スクワット、ベンチプレス、デッドリフト3種目で順位を競う競技ですが、ベンチプレスのみを行う「ベンチプレス大会」も開催されています。ルールは健常者ルールでパラ・パワーリフティングとは少し違います。


パラリンピックへの出場はできませんが、視覚障がいや聴覚障がいの選手たちもパワーリフティングを行っています。パラ・パワーリフティング連盟でも視覚障がい者の方が出場する部門(IBSA)を設けた大会も開催しています。


その8


試合の種類


●パラ・パワーリフティング連盟主催大会

 「全日本選手権大会」(開催時期12月~2月ごろ)

 日本各地からトップ選手が集結し、日本一を決める大会として毎年開催されています。


 「チャレンジカップ京都」(開催時期4月ごろが多い)

 日本のトップ選手から、初めて大会に出場する選手まで、だれもが参加できる大会です。


●そのほかの記録会

 パラのベンチ台で・パラルールで・障害の有無は関係ないベンチプレス勝負をするイベント記録会、

 地域で開催される記録会、オープン大会なども各地で催されることがあります。

 今年度の大会等の行事はこちらに掲載

 

その9

誰が一番の力持ち?!


体重別で競う、パラ・パワーリフティング。


男子は、体重が軽い(49Kg以下の人)~体重が重い(107Kg以上)の人まで
女子は、軽い(41Kg以下)~重い(86Kg以上)
男女、それぞれ10階級に分かれて、勝負しています。


49Kgの人と、100Kg以上体重のある人とでは、持てる重さが違うだろうな、
ということは想像できますよね。


もし、体重の差がなかったら、いったい誰が一番力持ちなのか!?

それが分かる方法、係数を使って体重に差がなかったとしたら、どのくらいを持ち挙げたのか、数値を出して比較します。

この係数を使った計算によって、日本国内大会では、その大会の最優秀選手を決定しています。


実際の係数を使った順位表を見てみましょう。

実は接戦だったな!とか、ダントツ強いな!とか、

3位以内に入りたいな!とか、数値で100は超えたいな、とか・・・

この表からもドラマや、新たな目標が生まれそうですね。


★年間の最優秀選手も、各選手がその年度に出場した公式大会で出したベスト記録を
 係数による計算で比較し、一番高い数値だった選手を選出しています。



2020年10月3日~10月4日 第3回チャレンジカップ京都 リザルトより

※ 2020年の大会結果を例にしています。現在の所属先と違う記載になっている選手がいる場合がありますこと、ご了承ください。