選手紹介

佐野 義貴

サノ ヨシキ
強化B
65Kg級

プロフィール

■ プロフィール

 神奈川県 相模原市 在住。

 1968.9.6生まれ

 フォームの特徴は、ナローグリップ。(バーベルを持つときの手と手の幅が狭い)

 「試技の前、特にルーティンはありませんが、独特な呼吸法をします。どの試合も闘争心と集中力、目の前の重量を挙げることだけ考えています」


 2017年12月に開催の第18回全日本選手権より、階級を65Kg級に下げて活躍している。



■ 72キロ級佐野選手に聞く 東京パラに向けて

  (2017.02.06 広報インターン記事)  

 第17回全日本パラ・パワーリフティング選手権大会72キロ級で優勝を収めた佐野選手。練習拠点のパワーハウス(調布市)で、競技の魅力や自身の選手生活について聞いた。(2016.12.3開催 大会詳細は こちら

 

 パラ・パワーリフティングは、下肢障がいの選手が仰向けになってバーベルを持ち上げるベンチプレスに似た競技だ。選手は障がいの度合いではなく、体重で階級分けされる。健常者のベンチプレスの大会に出る選手もおり、障がいの垣根を越えて楽しめるのが魅力だ。障がいにより使える筋肉は異なり、脊髄損傷の佐野選手の場合は腹筋が利かない。そのため胸から上の筋肉だけで持ち上げている。佐野選手は、腹筋が利く選手と同じ土俵で戦っていることになるが、「上げられれば勝ちなので」と、不利に感じることはないという。また、年を重ねてからも活躍できる。48歳の佐野選手も「積み重ねた土台のおかげで年老いてもできる競技。若い人には負けたくない」と笑う。


  パラ・パワーリフティングとの出会いは15年ほど遡る。高校時代は野球部に所属しており、卒業後も社会人で続ける予定だったという佐野選手。しかし卒業直後に交通事故に遭い、歩くことができなくなってしまった。その後、車いすでもできるスポーツを色々と試し、自分に合っていると感じたのがパラ・パワーリフティングだったという。


 現在は週に3回、パワーハウスでトレーニングをしている。普段の筋トレでは筋肉の増量を重視するが、全日本を2週間後に控えていた取材時は、大会で実力を発揮できるようにピーキングをしていた。大会当日に150キロを上げられるように逆算し、1か月前から始めたという。「1日4回上げますが、試合を想定して15分のインターバルを空けるんです。今日は132.5キロから始めたので、2.5キロずつ重量を上げて140キロまで上げます。次回は、今日の2回目に上げた135キロから始めて、という感じです。ピーキングをやらない選手もいますし、これに関して正解はないですね」


 大会でベストを尽くすために、何かルーティンはあるのだろうか。「ルーティンは……ないですね。追い込まれるほど燃えるし、試合でも緊張しないタイプなんです」。ただ練習日は朝ご飯にあるものを食べている。「普段はパンなんですが、練習日の朝はエネルギーを入れようと思って豚肉の『肉丼』を食べています」


 全日本選手権に向けて、「他の選手のことはあまり考えず、まずは自分のことに集中していつも通りやるだけ。72キロ級のトップは誰にも渡さない」と、日本記録保持者らしいコメントをしていた佐野選手。


 当日は第1試技で142キロに失敗してしまったものの、最終的には148キロを上げて日本記録を更新した。試合後、第1試技の失敗の原因は、バーベルを上げる前、胸まで下したときに理想よりも顔に近くなってしまったことではないか、と振り返った。「今日はバーベルを下す位置がバラバラだった。情けないが、いい経験になりました」


 2020年の東京パラリンピックでは、200キロを目標にしている。「まずはもっと体を大きくする。また、一つ一つの試合の中でいかに調整するのかも大事になってくるので、第1試技は必ず取れるように頑張っていきたいです」と意気込んだ。

【文章/一橋新聞、川平朋花】

【写真/日本パラ・パワーリフティング連盟】