掲載情報【ナイスコレクション】|実践事例:教育プログラム 「応援には本当に力があるの?」
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記事を読む ⇒ 日本パラ・パワーリフティング連盟が届けた「応援の力」 福島の小学校で未来へつながる特別授業
応援の力 教育プログラム
実践事例①:福島市立荒井小学校
「応援には本当に力があるの?」
~42人の子どもたちが体験した『挑戦・応援・勇気』の45分~

2026年7月6日、福島市立荒井小学校において、「応援すること」「応援されること」を体験を通して学ぶ教育プログラム『応援には本当に力があるの?』を実施しました。
本プログラムは、「応援には本当に力があるのか」を子どもたち自身が体験を通して確かめる45分間の体験型授業です。今回は第1弾として4年生25名、6年生17名、計42名が参加しました。
近年、学校現場では、子どもたちが互いを認め合い、挑戦を応援できる学級づくりや、自己肯定感を育む教育の重要性が高まっています。本プログラムでは、トップアスリートとの交流や競技体験を通して、子どもたちが「応援すること」「応援されること」の双方を体験し、自分も仲間も一歩踏み出す勇気について考える機会を提供します。
■なぜパラ・パワーリフティングなのか
パラ・パワーリフティングは、ステージ上で一人の選手がバーベルに挑戦します。

この時、対戦相手と同時に競うスタイルではないところは、他競技ではあまり見られない、特徴的なポイントです。そのため、会場中の応援が一人の選手に集まり、その声援が選手を後押しする様子を、子どもたちが目の前で体感できます。
「応援すること」「応援されること」の力を、これほど分かりやすく体験できるスポーツは多くありません。この競技特性を教育に生かし、「応援」をテーマにした教育プログラムとして構成しました。
■第一号モデルとして荒井小学校で実施
第一号モデルとなった福島市立荒井小学校では、3時間目に4年生25名、4時間目に6年生17名、45分間の授業を2コマ実施し、延べ42名が参加しました。授業では、
・自分がパラ・パワーリフティングに挑戦する
・友達を本気で応援する
・日本代表選手をクラス全員で全力で応援する
という三つの体験を実施しました。
授業冒頭、子どもたちへ最初に伝えたのは、
「今日はパラ・パワーリフティングを勉強する授業ではありません。『応援には本当に力があるのか』をみんなで実験する授業です。」という言葉でした。
授業全体を一つの「実験」と位置付け、子どもたちは応援する側・応援される側の両方を体験しました。
■授業の流れ
本プログラムは、「応援には本当に力があるのか」を体験を通して確かめる45分間のプログラムです。
【STEP1】事前学習
・「応援にはどんな効果があるのか」を調べる
・クラスオリジナル応援コールを考える
応援について知識として学び、授業当日はその効果を実際に体験します。
【STEP2】全員が挑戦する
児童全員がパラ・パワーリフティングに挑戦します。まずは20kgのシャフトを持ち上げ、余力のある児童は22kgにもチャレンジ。友達からクラスオリジナル応援コールで応援を受けながら、「挑戦すること」「応援されること」を体験しました

【STEP3】トップアスリートを応援する
今度は児童全員が「応援する側」になります。東京2020パラリンピック日本代表・男子59kg級日本記録保持者の光瀬智洋選手が、
70kg → 100kg → 140kgと、段階的に重量を上げながら挑戦。
応援するほど会場の一体感が高まり、「もっと応援したい」という空気が自然に生まれていきます。

【STEP4】「応援には本当に力があるのか」を実験する
最後に光瀬選手は154kgへ挑戦しました。
154kgは自己ベスト158kgの98%にあたり、直前3日間の福島合宿では成功できなかった重量です。挑戦前、光瀬選手は子どもたちへこう伝えました。
「失敗が怖いから挑戦しないのではなく、挑戦することが大切。だから、この挑戦をみんなの応援で後押ししてほしい。」
体育館いっぱいにクラスオリジナル応援コールが響き渡る中、光瀬選手は154kgを見事成功。成功後には、
「みんな、ありがとう!みんなの応援のおかげで154kgが上がりました。」と子どもたちへ感謝を伝えました。
子どもたちは、「応援には本当に力があるのか」という授業冒頭の問いを、自分たち自身の体験を通して確かめることができました。

■授業で子どもたちへ伝えたメッセージ
授業の最後、光瀬選手は自身の経験を交えながら、子どもたちへ次のように語りました。
「僕は小学生の頃は運動が得意ではなく、自信が持てるものがありませんでした。応援してもらうことを待っているような子どもでした。」
19歳で事故に遭い車いす生活となってから、夢を叶えるために競技を始め、パラリンピックに出場した経験を紹介するとともに、応援されることを待つのではなく、自分から人を応援するようになったことで、自分も応援されるようになったと振り返りました。
そして子どもたちへ、
「できないかもしれないと思って挑戦をやめるのではなく、少しだけ一歩踏み出してみてください。その一歩を踏み出す勇気をくれるのが応援です。今日から友達や家族が挑戦していたら、ぜひ応援してあげてください。」
とメッセージを送りました。
■「応援には力がある」を全員が体感
授業後、児童からは
「光瀬選手の挑戦を見て、本当に応援には力があるんだと思いました。」
という感想が寄せられました。
また担任教諭からは、
「子どもたちと一緒に夢中で応援しているうちに、私自身も気持ちがすっきりして元気になりました。子どもたちが挑戦する姿や、154kgが持ち上がった瞬間を一緒に喜ぶことができ、本当に晴れやかな気持ちになりました。」
との声も聞かれました。
さらに光瀬選手は、
「授業では子どもたちへ勇気や挑戦を伝えるつもりで臨みましたが、私自身が子どもたちからたくさんのことを学びました。子どもたちの応援を力に変えて154kgを成功させることができ、この経験は競技人生にとっても大きな財産になりました。」
と振り返りました。
■今後に向けて
今回の荒井小学校での実践を第一号モデルとして、今後は学校・自治体・教育委員会との連携を目指し、本プログラムを全国へ広げていきたいと考えています。
この授業で育てたい力
✓ 勇気を出して挑戦する力
✓ 仲間を応援する力
✓ 応援を受け取る力
✓ 相手の頑張りを認める力
✓ 「できた」を積み重ねる自己肯定感