【広報インターン】7月24日「i enjoy! セミナー」 世界王者ラーマン選手登場で大盛況
7月24日「i enjoy! セミナー」 世界王者ラーマン選手登場で大盛況
7月23日、ロンドン・リオ両パラリンピックの男子107kg超級で金メダルを獲得したシアマンド・ラーマン選手(イラン)が初来日した。24日には(公財)日本財団パラリンピックサポートセンター(=パラサポ、東京都港区)で行われたイベント「i enjoy! セミナー パラ・パワーリフティング 金メダリスト ラーマン選手がやってくる!」に登場。集まった親子50人以上の前で軽々と250kgを上げ、子どもたちはそれを食い入るように見つめていた。
イベントでは女子50kg級のマクドナルド山本恵理選手がパラ・パワーリフティングについて説明し、健常者のベンチプレスの違いとしてベンチ台の形を挙げた。パラ・パワーリフティングではベンチ台の上に足を投げ出して行うため、上半身の力だけでバーを持ち上げている。山本選手は「重要な筋肉は大胸筋、二頭筋、三頭筋です!」と力説した。
また、パラ・パワーリフティングには厳密なルールがある。たとえば、検量は大会と別の日ではなく、試合の2時間前に行われる。また名前を呼ばれてから2分以内にバーをラックから外せなければその試技の記録は残らない。なによりただ持ち上げるだけでは審判からバツの判定をもらってしまう。「重いものを美しく持ち上げる競技なんです」と山本選手は語る。
競技の説明後、ついにラーマン選手が登場。169kgの大きな体に会場から歓声が上がる。
ラーマン選手は、司会を務めるお笑いコンビの「御茶ノ水男子 」のしいはしジャスタウェイさん(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)を見て「(体重約60kgの)彼10人分を持ち上げられる 」と笑顔を見せ、リラックスした様子だった。車椅子からベンチ台に移るラーマン選手について、ジャスタウェイさんの相方おもしろ佐藤さんは「背中かっこいい!」と興奮気味に実況。ウォーミングアップとして上げた70kgのバーはただの棒かと思うほどに軽々と持ち上げられた。
220kgを上げる際にはおもりでバーがしなるほどだったが、ラーマン選手は数回上下させる余裕ぶり 。会場からは「ラーマン! ラーマン!」とコールが起こる。しかし、250kgを上げる際には、コーチが「静かに」と合図をだした。集中力を高めたラーマン選手の息を吐く音が観客席まで聞こえるなか、エイヤッとばかりにラーマン選手は250kgを持ち上げ、数回上下させた。
試技後、小学生からの「どうやったら大きくなれますか?」という質問にラーマン選手は「よく食べて練習すること!」と回答。「2020年の東京パラリンピックに向けてイランチームは金メダルをとれるように頑張っている。ぜひ応援してほしい」とアピールした。
会場にいた80kg級日本記録保持者の宇城元選手はラーマン選手について、「トップにいても努力し続ける彼の謙虚さを見ることができた。彼のようなトップ選手はバーがぶれることなく上げられるため、力のロスが少ない。その点は参考になる」と話す。
ラーマン選手自身は、「自分の強みは長年の練習」と話す。1日合計で70~80トンを上げ、手は石のように固くなっているそうだ。「パラ・パワーリフティングは繊細なスポーツ。バーの持ち方や下ろす位置、集中力が重要」と語った。
試技を間近で目にした子どもたちの盛り上がりを見て、パラ・パワーリフティングという競技の持つ熱量の大きさが改めて感じられるイベントとなった。ラーマン選手、また宇城選手や山本選手は7月27日に行われたエレイコカップ(東京ビッグサイト)にも参加。24日のイベント以上に会場を盛り上げていた。
広報インターン 【一橋新聞部・川平朋花】