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【2019ヌルスルタン世界選手権】2019.7.12~7.20

2019.04.01
大会


Nur-Sultan 2019 World Para Powerlifting Championships

2019 ヌルスルタン世界選手権


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▼ヌルスルタン世界選手権に関するIPCニュースピックアップ

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■ 開催都市名が変更に  2019.4.1

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カザフスタンの首都アスタナが、同国初代大統領の名を取ったヌルスルタンへ改称されたことを受けて、大会名称も変更した。

Nursultan Abishuly Nazarbayevは、1990年4月29日から2019年3月19日までカザフスタンの大統領を務めた。新大統領のKassym-Jomart Tokayevは就任後、アスタナからの改称案に署名。これにより、世界パラパワーリフティング世界選手権およびジュニア世界選手権は、ヌルスルタン2019に大会名を変更。

同大会は、7月12-20日に開催され、イランの最強パラリンピアンSiamand Rahman、メキシコのレジェンドAmalia Perez、エジプトの3度のパラリンピック王者Sherif Osman、ナイジェリアの世界王者Lucy Ejike他、名だたるトップ選手が出場する。

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■ 新種目、混合団体  2019.5.29

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世界パラパワーリフティング連盟は、世界選手権およびワールドカップで新種目となる混合団体を採用する。
7月12日~20日にカザフスタン・ヌルスルタンで開催される2019年の世界選手権から初導入され、その後すべての主要大会で採用される予定。

ヌルスルタン2019では、開催国のカザフスタン(A,B,Cチーム)、ブラジル(A,Bチーム)、ウクライナ(A,Bチーム)、メキシコ、イラク、エジプトから10チームが新種目に参加。

世界パラパワーリフティング連盟のJorge Moreno会長は、
「世界各地で行われる我が連盟のすべての大会で新たに混合団体種目を開催できること、選手の皆様には革新的な種目形式に参加し自らの強さを発揮できる機会、より多くのメダルを獲得できる機会を提供できることを楽しみにしております」とコメント。

混合団体種目では、各チーム3名の代表で構成され、うち少なくとも1名は女性となる。
同種目は大会最終日に行われ、1グループで全10チームが競技する。そのうちの上位4チームが準決勝に進出し、決勝戦と3位決定戦が行われる。
チームの各選手がステージごとに1回挙上。チームが次のラウンドに進出した場合、最大3回を行う。結果は、異なる階級の選手の結果を比較できるようAH(Haleczko)方式で計算される。

ヌルスルタン2019は第8回目の世界選手権大会。前回大会は2017年のメキシコシティ大会。


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■ 注目選手ピックアップ  2019.6.17

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7月12-20日にヌルスルタンで開催される世界選手権大会を前に、活躍が期待される注目の選手をピックアップ。

Amalia Perez(メキシコ)
2018年はアジア・オセアニアオープン、アメリカ大陸オープンを両制覇。4度目の世界タイトルを狙う。

Lucy Ejike(ナイジェリア)
およそ20年にわたる競技人生で、パラリンピックと世界王者に輝くこと数回。

Raushan Koishibayeva(カザフスタン)
開催国のベテラン選手。メダルにも期待が懸かる。

Sherif Osman(エジプト)
昨年アフリカ選手権で二連覇を達成。今大会では4つ目の世界王者トロフィーを持ち帰れるか。

Siamand Rahman(イラン)
世界最強のパラパワーリフターとの異名を取る男。ヌルスルタンでは、自身の持つ世界記録更新を狙う。

Sodnompiljee Enkhbayar(モンゴル)
近年着実に力をつけ、昨年はアジアパラ競技大会とアジア・オセアニアオープンで見事優勝。

Yujiao Tan(中国)
昨年はアジアパラ競技大会と北九州大会でW優勝。女子67kg級の世界記録も2度更新した。

など、10名を紹介している。

各選手の詳しい経歴は、世界パラパワーリフティング連盟のwebサイト内、Ones to Watch をチェック。
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■ ラーマン選手インタビュー  2019.6.19

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パワーリフティング界最強の男シアマンド・ラーマン。7月の世界選手権に向けて練習に励むラーマンは、「イランにはいいパワーリフターがたくさんいる。風土もあるし、競技団体が定期的にトレーニングキャンプを開催していることも理由のひとつ」「あと、選手発掘のスカウトが常にパワーリフティング好きの若手や才能あるパラアスリートを探している。イラン代表チームのトレーニングは世界のどのチームよりも厳しいと言える」などと述べた。

リオ2016で驚異の310kgを記録し金メダルを獲得。
さらにロンドン2012、ドバイ2014世界選手権のタイトルも持つが、これで終わりではない。

7月の世界選手権タイトル、史上初のパラリンピック3連覇、世界記録更新など、To-Doリストの項目はまだまだある。
「調子は良い。世界選手権も東京2020も楽しみだ。パラリンピックで世界記録を更新できたら最高」「まずはカザフスタンで東京2020の出場枠を確実に獲得したい。メダル獲得はそれからだね」「3度目のパラリンピック出場を本当に楽しみにしている。東京に全力を尽くして、リオ2016以上の記録で世界新記録を出して、ファンを幸せに、そして誇りに思ってもらいたい」と意気込む。

学生の頃に通い始めたジムでパワーリフティングを始めたラーマン。
「ジムのコーチの一人が僕をパラリンピック委員会に紹介してくれて、しばらくしてから代表チームに招待された。上達するために昼も夜もハードに練習したよ。最初は120kgだったけど、今の記録は300kgを超えるからね!パラリンピックファミリーの一員でいられることを常に神に感謝している」「このスポーツからプラスの影響を受けているし、人生が変わった。若者のロールモデルになれることをいつも神に感謝している」

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■世界最強の会計士?

 モンゴル代表 エンクバヤール選手  2019.6.24

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モンゴルのSodnompiljee Enkhbayar。リオ2016では銅メダルを獲得し、モンゴルに初のメダルをもたらした。
その後88kg級から107kg級に階級を上げ、2017年の世界選手権で銀メダル。2018年のアジアパラ競技会でも金メダルに輝いた。

だが栄光の影で、敬愛するコーチが他界。悲しみがさらなるモチベーションへとつながった。
「リオの1年後に、僕をずっと支えてくれたコーチが亡くなった。
リオの後、東京ではベストを尽くすと約束していたんだ。コーチのために金メダルを取るってね。
本当に素晴らしいコーチだった。僕を信じてくれた。ずっと励まして、僕を誇りに思ってくれた。
だから東京では夢を叶えたい。そして世界選手権では世界新記録で金メダルを取りたいね」

階級を変えたのはコーチの勧めだったが、そのかいがあったとEnkhbayar。
「階級を上げたことで最初は大変だった。今は1日2回ウランバートルで練習しているから、力がついてきたと思う」

もともと柔道選手だったEnkhbayarは、1999年に脚を切断し、パラパワーリフティングへ転向。
「まだ若かったから大変だった。でも過去は振り返らない主義だし、今の自分を可哀想だとも思わない。
この競技がすごく好きだし、はっきりした目標もあるからね」

普段はウランバートルの企業で会計士をしているEnkhbayar。
「たぶん世界最強の会計士だね! でも、今はパワーリフティングが全て。
モンゴルはこの競技に向いていると思うよ。ファイターの国だし、強い精神力がある。
僕もそれを受け継いでいると思うよ」

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■シニア大会1日目、2日目の見どころ(7/13、14)

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女子41kg級ではアルジェリアのアフリカ選手権2位Samira Guerioua、キューバの世界、アメリカ両選手権2位Leidy Rodriguez、中国の現世界王者 Cui Zheらが争う。

女子45㎏級では中国のLingling Guoは2年前メキシコシティで世界選手権デビュー以来負けなしだが、2017年の世界記録更新以後、2018アジアオセアニア選手権大会(9月)、2018アジアパラゲームズ大会(10月)と自身の記録を更新し続け、115㎏まで押し上げた。

女子50Kg級では、中国のHu Dandanはパラリンピックで金メダル獲得の45kg級から50kg級へ転向。ウクライナのリオ2016パラリンピック王者Lidiia Soloviovaが彼女の野望を阻むかもしれない。

男子49kg級は現世界王者のLe Van Cong(ベトナム)とヨルダンの世界ランク2位 Omar Qaradaの一騎打ちとなるだろう。

世界王者Roland Ezuruike(ナイジェリア)、ヨーロッパ王者Ali Jawad(英国)世界選手権3位のDimitrios Bakochristos(ギリシャの)などがエントリー、男子54Kg級の戦いが繰り広げられる。

男子59kg級ではエジプトのSherif Osmanが優勝候補。リオ2016パラリンピック、メキシコシティ2017世界選手権大会金メダリストにして世界記録(211kg)保持者。だが新顔の北九州2018で国際大会デビュー、初タイトルのQi Yongkai、チリのアメリカ王者Juan Carlos Garridoも侮れない。

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■シニア大会3日目、4日目の見どころ(7/15、16)

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7/15

女子55Kg級では4度目の世界王座を狙うメキシコのAmalia Perez。昨年女子61kg級に階級を上げたあと、今大会から55kgに戻して出場する。
今年のFazzaワールドカップで世界新記録を達成したウクライナのMariana Shevchukらとの対決が見もの。

女子61kg級では、前回の世界王者Lucy Ejikeが2連覇なるか。

男子65kg級では、2011年以来ほぼ負けなしのナイジェリアのPaul Kehindeが登場。

7/16

女子67kg級のベテランRaushan Koishibayevaが登場。世界記録保持者の中国Tan Yujiaoを破り、前回の世界選手権で5位という汚名を返上できるか。

男子72kg級では、世界記録保持者のイランのRohallah Rostamiが80kg級に転向。代わって、同じくイランのNader Moradiが優勝候補の筆頭として名前が挙がっている。

男子80kg級では、前回の世界王者Majid Farzinが欠場。金メダルの行方はイランのRostamiと、中国のGu Xiaofeiに絞られる。

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■シニア大会5日目、6日目の見どころ(7/17、18) 

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7/17

目玉は、女子73kg級の金メダル候補フランスのSouhad Ghazouani。リオ2016銀メダルの後、出場する大会すべてで連勝中。自身のもつ世界記録150kgの更新にも期待がかかる。
中国のMiaoyu HanやナイジェリアのPaulina Okpala、モンゴルのSanae Soubaneらの奮闘にも注目。

男子88kg級では、UAEのMohammed KhalafとモンゴルのSodnompiljee Enkhbayarが階級を上げたため、リオ2016銀メダリストのEvanio Da Silva、中国のYe Jixiongらが次期王者の座を狙う。

女子79kg級では、ナイジェリアのBose Omolayoと中国のXu Liliの対決に注目。互いに世界記録を塗り替え続けている好敵手だが、今回新記録を打ち立てるのは果たしてどちらか?

7/18

男子107kg級では世界王者Jose de Jesus Castillo Castilloに、モンゴルのSodnompiljee Enkhbayarが挑む。Enkhbayerは先のアジアパラ競技大会で244kgをクリアし、世界新記録を達成している。

女子86kg級の優勝候補は、ナイジェリアのFolashade Oluwafemiayo。昨年のFazzaワールドカップでは146kgの世界新記録を打ち立てた。その他、UAEのMohammed Khalafと、コロンビアのFabio Torresの対決にも注目が集まる。

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■シニア大会7日目、8日目の見どころ(7/19、20) 

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7/19

男子107Kg超級 世界最強の男Siamand Rahmanが登場。2010年の世界選手権の決勝で敗れて以来、男子107kg超級の連勝記録を更新している。優勝はほぼ間違いなしだが、自身の持つ世界記録310kgを更新できるかに注目が集まる。
「カザフスタンでは、まず東京2020の出場枠を確実に手にして、メダルを獲りたい。僕にとっては、東京2020への調整だからね」

もっとも激しい戦いが予想される女子86kg超級では、世界記録保持者のナイジェリアJosephine Orjiが最有力候補。
だが、3年のブランクの後久々に出場したラゴス国際大会では、同郷のLoveline Obijiに金メダルを奪われた。
さらに、リオ2016女子86kg級金メダリストのエジプトRanda Mahmoudも階級を上げ、女子最強の座を狙う。

7/20 最終日

初の混合チーム戦が行われる。
開催国カザフスタンからは3チーム、ブラジルとウクライナから2チーム、その他メキシコ、イラン、エジプトの計10チームが出場する。


各チームとも、女子1名以上を含む3名の選手で構成され、各選手とも各ステージ1回ずつ試技を行う。
10チームがグループ戦で戦い、上位4チームが準決勝に進出。
準決勝に勝利した2チームが金メダルをかけて対戦する。